函館稜北病院総合診療科抄読会B面

毎週木曜日5:30PMから30分間、Clinical Problem-Solvingを素材にクリニカル・パールを拾い集めます。

医者は患者をこう診ている

この本を簡単に説明すると、NEJM の Clinical Problem-Solving の Common disease 版と言えよう。ある日の午前中の18人の外来患者とのやりとりを専門家でない読者にも分かるよう解説をくわえながら描いた本。専門家には回りくどい記述もあるが、著者の感情や…

Caliberでmobi形式文書を作る

少し手間なのですが、英語文献をmobi化(アマゾンの電子フックリーダーの形式)にしておくと、下記の点で便利です。 ①スマホでも読めるので、細切れの時間の利用も出来る。 ②文字を見やすいサイズに変更出来る。(老眼に優しい。) ③すぐ辞書やウィキペディ…

"Negative Capability"

初めて聞いたこの言葉。詩人キーツの悲恋を描いた映画「ブライトスター」のモチーフにもなっているようです。 Fanny Brawne: I still don't know how to work out a poem. John Keats: A poem needs understanding through the senses. The point of diving …

マチワイヤー

購入方法は、下記リンクへ。 tama-medical.com 。

Chicago Med I-3 "Malignant"

ブラジルからの移民二世、弟が医師になるために働いている看護師エイプリル・セクストン が、実習中の弟にACLSプロトコールについて助言しているシーン。 Yeah, it's just, um, I'm trying to memorize these emergency protocols. You know, all the flow c…

"Briefings from the New England Journal of Medicine" について

新たなNEJMの記事の日本語ソースを見つけました。 BRIEFINGS - The New England Journal of Medicine 日本語版 です。 手段と目的を取り違えないように注意しなければなりません。 日本語のあるものは、苦労して英語で読む必要はありませんよね。 リンク先か…

第103回:「日常診療でよく診る症状の裏に」

お話のキモは、腰痛、便秘、しびれ、頭痛、めまいなどコモンな症状にいろんな「裏」がありますよということ。これを避けるためには、時間なり、思考フレームなりを変えて、「セカンド・ルック」を実践することが大切ということでした。前医が、専門医という…

Chicago Med I-3 "Fallback"

タイトルの "Fallback" は、「頼みの綱」としての "Surgical Navigation Advanced Platform" と御主人にプレドニゾロンを盛ってまで軍役から「退却」してもらおうとした奥様の犯罪とを掛けたのでしょうか。奥様の嘘を暴いた Dr. Daniel Charles のセリフ。 T…

Chicago Med I-2 "iNO"

産み捨てられた新生児の低酸素血症、帰宅させて心筋梗塞で心停止して戻ってきた3児の父、院内には一本しか一酸化窒素のボンベがない… 結局は、後者の患者にボンベを使い蘇生し、循環器医師による介入に繋ぎ、生命は救うことができるのだが、重い障害を残し…

今後の抄読会

抄読会の開催要領を下記に変更します。 記 【日時】 毎週月曜日 17:00〜17:30 次回は、4月17日(月)とします。 【課題】 従来は、気になったところの抜粋を持ち寄って頂きましたが、 これからは、記事の要約となるような形で切り貼りして持ってきてください…

第50回:"Wasting Away"

今回の "Wasting Away" というタイトルは、「衰弱する」と「浪費する」という2つの意味を掛けたタイトルでした。その意味を汲めば、難しい日本語だが、「枯槁憔悴(ここうしょうすい)」という訳にでもなりましょうか。 Word Count:3224語 (Time: 16'06'', 2…

Chicago Med I-1 "Derailed"

昨日から放映が始まった "Chicago Med"、"ER" 後、なかなか気に入る医療ドラマが現れなかったが、今回は期待が持てそう。時代的には、ERのグリーン先生のお嬢さんが メディカル・スクール4年生のサラ・リースといったところか。(もちろん別ドラマ、別人な…

第49回:"Histology Rings True"

今回は、"ring true"という熟語と"fibirin ring granuloma"という組織パターン名を掛けたタイトルでした。その意味を汲めば、「実質臓器が語る真実」という訳にでもなりましょうか。 Word Count:2927語 (Time: 10'16'', 285 wpm) 参加人数:4名+1名(文書…

第48回:"Unfolding the Diagnosis"

今回は、Ménétrier病。その胃襞を伸ばすが如く、診断もその背景のウイルス感染まで展開しましょうということなのでしょう。今年2月23日号のNEJM誌に金沢医科大学発生発達医学部門 犀川太教授と秋田千里助教の報告があり、そのCT画像の胃は、まるで女性が身に…

第47回:"Out of the Blue"

「晴天の霹靂」のBlueと有痛性青股腫(Phlegmasia cerulea dolens)のBlueを掛けたタイトルでした。 Word Count:2761語 (Time: 15'33'', 178 wpm) 参加人数:4名 引用箇所: This case highlights the importance of recognizing a rare condition (phlegmasi…

第46回:"Making the Connection"

「時間的に離れた事象を因果関係でつなげる」という意味と意図せずに「胃と腸がつながらさった」ということを掛けたタイトルでしょうか? ひょっとして、複数の症状の組み合わせ(combination)で診断に至るということも含意しているのでしょうか? Word Count…

第45回:"Spot Diagnosis"

異常なほど速く読むことができました。考えられる理由は2つあります。1つは、試験的にコメントの部分から読んでみたこと、もう1つは、日常診療で診ることの少ない遺伝病が題材で、難しくもあり、関心も少なく、読み飛ばしてしまったことにあるようです。 お…

Just a Cut

第37回抄読会でとりあげた "Just a Cut" の記事にNEJM誌上での質疑応答があったので、リンクを貼っておきます。 http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1615253 不勉強にも、For the first ear でした。Vibrio vulnificus は鉄依存性なので、ヘプシジン…

Susannah Cahalan at TEDxAmsWomen 2013

以前NMDAR脳炎の症例を採り上げましたが、この疾患に罹患、回復した体験をTEDで講演されています。 そして、その体験を映画化した作品の予告編です。

Pokemon Go BMJ Christmas Paper 2016

第44回:"A Creeping Suspicion"

初めて知ったのですが、ヘルペスというのは、「這う」という意味のギリシア語に由来するのだそう。どんな組織でもそうですが、仲間外には通じない隠語を作りたがります。医学用語に関しては、その素材としてギリシア語やラテン語を用いることが多いわけです…

第43回:"After the Party's Over"

今回は、初めて私が参加せずに抄読会を開きました。それで、的はずれな投稿になるかもしれませんが、ご容赦を。 Word Count:3151語 (Time: 19'57'', 158 wpm) 参加人数:4名 引用箇所 The combination of anemia, thrombocytopenia, and acute kidney injur…

第42回:"A Gut Instinct"

タイトルは、 "gut instinct" で「本能的直感」という意味があるので、腸結核と掛けたのでしょう。今回からどんな理由であれ、他の参加者にお伝えしたいことを3箇所選んで参加し、その理由をお話頂くというスタイルに変更しました。 Word Count:2684語 (Ti…

第41回:"Gotta catch’em all! Pokémon GO and physical activity among young adults: difference in differences study"

今回は、クリスマスということもあり、BMJのクリスマス記事から「ポケモンGO」ネタ。 http://www.bmj.com/content/355/bmj.i6270 Word Count:2281語 (Time: 14'32'', 157 wpm) 参加人数:4名 感想: ネタはふざけているが、差分の差分分析を使った真面目な…

第40回:"A Tight Predicament"

タイトルの、"tight" は、"stenosis" に通ずるのでしょうか?それにしても、"predicament" の意味が覚えづらい。語源で考えると、「前もって言われていたこと」のような意味のはずなので、(言ったこっちゃない)苦境みたいに派生したのでしょうかねぇ。 Wor…

第39回:"Scratching Below the Surface"

タイトルは、scratch the face で、「〔物の〕表面を引っかく、表面に傷をつける、 〈比喩〉上っ面をなでる、表面的に論じる、〔研究・学習などを〕ほんの少し学ぶ[かじる]、 〔やるべきことの〕始まりにすぎない」などの意味があるそうで、"below"を加え…

ドラッカー読書会と我々の抄読会

右に載せた本の著者吉田麻子さんの出版記念講演に出かけてきました。私自身は、別にドラッカリアンというわけではありません。むしろ最近まで名前を知ってはいたものの、単純に「効率主義者の神」くらいの認識でした。その認識を変えてくれたのが、安富歩先…

第38回:"Against the Grain"

タイトルは、「木目に逆らって」という意味の成句と「穀物に対する抗体」という病態生理を掛けたのでしょう。 Word Count:2633語 (Time: 18'36'', 142 wpm) 参加人数:4名 クリニカル・パール: Celiac disease is an autoimmune disorder that affects th…

第37回:"Just a Cut"

タイトルは普通に訳せば、「ちょっと切っただけ」かもしれないが、ひょっとしたら「すぐ切るしかない」という意味も含意しているのかも。 Word Count:2792語 (Time: 18'03'', 155 wpm) 参加人数:3名+文書参加1名 クリニカル・パール: The patient’s ex…

第36回:"A Chilly Fever"

悪寒戦慄,悪心,重度の頭痛を伴う発熱が 1 週間続いた 30 歳の男性の症例で、結論は「マラリア」でした。 Word Count:2792語 (Time: 16'20'', 171 wpm) 参加人数:5名 クリニカル・パール: In 2010, a total of 1691 cases were reported to the Centers…