函館稜北病院総合診療科抄読会B面

毎週木曜日5:30PMから30分間、Clinical Problem-Solvingを素材にクリニカル・パールを拾い集めます。

第35回:"D Is for Delay"

Diarrhea, Dermatitis, Dementia, Deathの4つのDで要約される疾患だが、Deathの前に診断のDelayがあるでしょうということをタイトルは指摘しています。診断のDelayはある意味、裕福な社会の副作用かもしれません。同シリーズの "Remembering the ABC's" で…

年内の予定

私事で申し訳ございませんが、11月は、休日、夏休み、学会参加のため11月24日に新作を読む会のみの開催になりそうです。それを過ぎると師走で、BMJやMJAに面白い記事が出てきそうですね。 www.bmj.com Medical Journal of Australia

オープンデータ(2):Healthcare Hack with Open data (H2O)

H先生に厚生労働省からレセプト情報・特定健診等情報データベースが一般公開されたことを教えて頂きました。先日ヴァージョンアップした" Exploratory "などを使えば、時間とちょっとしたスキルがあれば、ほぼノーコストで医療政策への提言ができる環境が揃…

第34回:"Testing Limits"

症例はちょっと…でしたが、タイトルは奥深い。「検査には限りがある」のか、「限界を試す」のか…なにか某自治体のスローガン「試される〇〇」のようであります。 Word Count:2262語 (Time: 15'15'', 148 wpm) 参加人数:4名+書面参加1名 クリニカル・パー…

第33回:"Diagnosing One Letter at a Time"

病名は、Hakase Taroに似たあの病気です。It's on the tip on the tongue. 別名でPOEMS症候群ともいい、症状の頭字語が症候群名になっていることが、タイトルの由来となっているのでしょう。 Word Count:2896語 (Time: 19'17'', 150 wpm) 参加人数:5名+…

オープンデータ

函館市のオープンデータ化の記事があったので、関連リンクを2,3挙げておきます。 オープンデータがあってこそ、以前ここで紹介した "Exploratory" のようなソフトが活かせます。 函館市オープンデータポータル Code for Hakodate 株式会社まちづくり五稜郭

第32回:"A Not-So-Obscure Cause of Gastrointestinal Bleeding"

タイトルは、「もうそんな時代じゃないよ」という意味を込めて、"Obscure Gastrointestinal Bleeding (OGIB)" に対する皮肉なのでしょう。 編集 編集 編集 編集 編集 編集 Word Count:2553語 (Time: 13'20'', 191 wpm) 参加人数:4名 クリニカル・パール:…

NEJMのポッドキャスト

NEJMでは "Audio Summary" と題して、2005年11月3日から毎週音声による要約を配信しています。さすが、NEJMというべきか、いち早くWeb 2.0の波に乗ったのですが、正直、内容は本誌の要約というよりは、ティーザー広告のようです。 逆にそれを活かして、課題…

総合診療特任指導医資格取得のためのレポート作成の件

準備 別紙1(docx形式)の書式を資料「総合診療専門医専門研修カリキュラム」(pdf)をもとに埋めることでレポートを作成します。まずは別紙1と資料を各自ダウンロードして揃えてください。 対応するコアコンピテンシー領域 選択肢の6つのコアコンピテンシーは…

第31回:"Tip of the Tongue"

タイトルは、「舌先」と「ことばのヒント」という意味を掛けたのでしょうか。リハビリの分野では、「舌先現象」という言葉もあるそうです。TOTとか略すそうです。(参考:"Tip of the tongue" Wikipedia) 編集 編集 編集 編集 編集 Word Count:2886語 (Time…

国内留学

以前CourseraでUCSF医学部のドクターが担当した "Clinical Problem Solving" の講義が YouTubeで公開されております。英語ですが、字幕も出ますので時間のあるときに挑戦してみてください。

第30回:"Itching for a Diagnosis"

タイトルは、症状としての掻痒と診断に対するうずうずする欲求とを掛けたものですね。 編集 編集 編集 編集 Word Count:2294語 (Time: 11'35'', 198 wpm) 参加人数:5名 クリニカル・パール: Both the degree of proteinuria and the rate of progression…

流会、引っ越し、V-Scan

今日は、集まりが悪く、抄読会を延期しました。来週に持ち越しますが、引越し後なので、場所は新館の医局のオープンスペースになります。8月30日16:45からは、同じ場所で、Vscan の納入と説明会があります。 この機会に、YouTubeでDaniel Liechtenstein先生…

第29回:"Prevention as Precipitant"

タイトルは、「予防のノウハウ、時には余病の膿疱」というのは訳しすぎか。そう言えば、掌蹠膿疱症って余り見なくなった気がします。 編集 編集 編集 編集 Word Count:2355語 (Time: 14'32'', 162 wpm) 参加人数:3名+文書参加1名 クリニカル・パール: …

第28回:"A History Lesson"

タイトルの "History" は、「病歴」の意味、この疾患のもつ「歴史性」、そして、William Osler 先生が “The physician who knows syphilis knows medicine.” と言い、syphilisを "The Great Masquerader"と呼んだ医学教育上の歴史とを掛けていると読むのは、…

第27回:"Sick as a Dog"

タイトルは、リアルの犬と比喩としての犬を掛けています。世界史上最悪の疫病で、その流行がなければ、ルネサンスや17世紀の科学革命もなかったかもしれない黒死病(ペスト)でした。さらに今回のケースは、なんと、国立感染症研究所でも報告されておりま…

迷惑をかけないExcel

データのやりとりはエクセルで保存したファイルを添付してをメールすることが多いが、開けないことがある。開くことができても、データが正規化されておらず、前処理が必要になることが多い。データの前処理は、プロのデータ解析者の場合は仕事の80%を占め…

Exploratory Desktop 関連情報一覧

統計環境R言語のフロントエンドとして脚光を浴びている "Exploratory Desktop" 、少し触った限りでは便利そう。関係者のブログに コマンドラインインターフェイスで、データ解析とビジュアライズが同時に、柔軟にできるソフトウェアです。技術的に書くと、R…

第26回:"In Sight and Out of Mind"

タイトルは『文選・古詩十九首』の「去者日以疎」に相当する英語の諺 "Out of sight, out of mind."をもじったのでしょう。南山堂さんの訳は、「疎きもの、再び来たる」です。 編集 編集 Word Count:2636語 (Time: 18'36'', 142 wpm) 参加人数:3名 クリニ…

統計言語 R のフロントエンド "Exploratory Desktop"

前回、掲げたCSVファイルを使って経時的読解速度の推移を見える化してみる。R単体では、魔法の呪文のようなコマンドが必要な割に、グラフが綺麗ではないので、フロントエンドとして、"Exploratory Desktop" を利用した。課題の語数、分数、秒数から読解速度…

Twitter との連携

最近、感じている問題意識は、メンバーが忙しくてなかなか集まれないこと。そこで、集まれなくても、課題を読んで得たものをみんなに知らせることのできる場を設けました。気軽に、twitter で、#hakodoku のハッシュタグを使い、投稿してください。そうする…

第25回:"A Bruising Loss"

疾患は、稀でしたが、診断過程は捻られていないストレートパンチのケースでした。タイトルが "Bruising" というのも宜なるかな。「痣のできる」と「激しい」と双方の意味を掛けているのでしょうか。 編集 編集 Word Count:2923語 (Time: 15'35'', 188 wpm) …

第24回:"A Man with Fever, Cough, and Rash"

有毛細胞白血病、スウィート病、肺結核、免疫再構築症候群と complex case です。縦隔鏡を実施するほどに肺結核を疑うことができるかどうかが分岐点でしょうか? 編集 Word Count:2882語 (Time: 17'32'', 164 wpm) 参加人数:4名 クリニカル・パール: Alt…

CSV形式

下記の例のように、一行目を項目名として、データの値をコンマで区切って並べたテキストファイルの様式を Comma-Separated Values (CSV) と称している。OSやソフトの枠を超え、可搬性に優れたデータの書式であり、エクセルでもCSVを入出力できるので、SQUIRR…

SQUIRREL project

前回の抄読会で、Clinical Problem-Solvingのシリーズ244回のうち20回分(8.2%)を読んだことになります。それを記念して100個の例文からなる例文集とその音声を作りました。224回分すべての診断家の発言をコーパスとして、その中で出現する 4-gram を頻度順に…

第23回:"A Surprising Cause of Chronic Cough"

コモンなプレゼンテーションが、実は稀な疾患の稀なプレゼンテーション、こんな「なりすまし症例」(The Great Masquerader) には、セレンディピティに頼るしかないのでしょうか? Word Count:2390語 (Time: 17'14'', 139 wpm) 参加人数:5名 クリニカル・…

第22回 "On the Nose"

タイトルの "On the Nose" は、「ちょうど」という意味もあるそうですが、今回は "double meaning" ではないようです。アメリカの風土病のお話でしたが、日本から見ると、「輸入真菌症」となります。(「深在性真菌症・治療ガイドライン2014」参照) Wor…

第98回 脳神経外科病院症例検討会「脳外科に搬入された内科疾患」

タイトルのテーマで、当院向かえの脳神経外科病院で症例検討会が行われました。全部で6症例、いずれも身につまされるケースばかりでした。さらに今回で98回目を数えるということで100回目も目前、その継続性には敬服するばかりです。 今回の症例は、6症例中…

「第 1回 救急医のためのポイントオブケア超音波セミナー」参加報告

日本プライマリ・ケア学会総会出席のついでに、上記セミナーに参加してきました。最近、いろいろなPOC超音波の普及をはかる団体が活動を始めています。IT業界のチープ革命に対応するものでしょうか。安いポータブルエコーの上市が引き金になっているようです…

第21回 "Springing a Leak"

タイトルの "spring a leak" は、日常語として「お漏らしをする」という意味があるそうです。 Word Count:2762語 (Time: 15'58'', 173 wpm) 参加人数:3名+文面参加1名 クリニカル・パール: In patients who are dependent on exogenous thyroxine repl…