函館稜北病院総合診療科抄読会B面

毎週木曜日5:30PMから30分間、Clinical Problem-Solvingを素材にクリニカル・パールを拾い集めます。

Mini Nutritional Assessment Short-Form (MNA-SF) Predicts Clinical Outcomes: Cohort Study of Small-Sized Hospital in Japan

今回は、同じ系列の病院で働く医師が発表した論文を素材に取り上げました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgfm/17/1/17_90/_pdf

栄養状態のスクリーニング検査MNA-SFで、入院患者の予後(転記、入院期間、続発症)がある程度予測できるというものです。 MNA-SFは、計測値1項目(BMIあるいは下腿周囲径)、現況2項目(運動能力、神経精神疾患の有無)、過去3ヶ月の状態3項目(摂食障害、体重減少、精神的ストレスや急性疾患の有無)、計6項目で手軽に調査できるのが特徴です。これらの項目のうち計測値、体重減少に0−3のポイント、その他に0−2のポイント、最大3✕2+2✕4=14ポイントで、12ポイント以上を正常、半分の7ポイント以下を低栄養状態、8−11ポイントをを低栄養のおそれがあるものとして分類するものです。

http://www.mna-elderly.com/forms/mini/mna_mini_japanese.pdf

解析には、自治医科大学附属さいたま医療センターの神田善伸先生が開発された無料統計ソフトEZR (Easy R)を駆使しているようです。

抄読会は、我々の施設の英文呼称問題から始まりました。忙しいなかこれだけのデータ収集、解析を行い、英文化するというのはとてつもないお仕事だと感服しました。ただ、最近、アメリカ統計学会から、 "The ASA's statement on p-values: context, process, and purpose" という声明が発表されており、我々も統計については勉強しなければ、ということになりました。そこで、サイドバーに統計関連サイトのリンク集をつけてみた次第。