第18回:"A Deficient Diagnosis"
反面教師とも言える症例でした。稀な疾患を鮮やかに診断するケースだけではないのもこのシリーズの面白いところ。紀元前から付き合いのある壊血病(Cheadle-Möller-Barlow syndrome)を、これほどかという医療資源を投入して診断していく過程は、"International Guidelines for Problem Solving" のアメリカ方式を彷彿させます。まさにタイトルはそのあたりを皮肉ったものになっています。
Word Count:2873語 (Time: 22'35'', 127 wpm)
参加人数:3名
感想:
- 偏食を2歳時の自閉症スペクトラムのせいとしてしまうメンタリティは、いかがなものか。
- 壊血病は、ヒポクラテス以前から知られていた病気で、十字軍や大航海時代の船員では大問題となった。James Lind の実験は、医学史上最初の Clinical trial とされている。
- とはいっても、ビタミンC値が測定できない、あるいはあてにならない場合、診断は困難。
- 神経徴候は、いろいろな鑑別診断が挙がる。
- 振り返ると、自分たちも高齢者の診療で同じような間違いを起こしていないとは言い切れない。